事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践 栗原 康太 (著)

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マーケティングの中で、BtoBマーケティングは営業マンの要素が大きいと言われていますよね。

私がささやかながら営業マーケティング支援する自動車部品製造メーカーでも、プロジェクト受注を増やすためにどうしたらいいか悩んでいました。これまで営業やマーケティングをしたことがなかったのです。

マーケティングすると言っても、このメーカーの状況として、ターゲット顧客数が圧倒的に少なくて、新規顧客獲得の受注決定までにとても時間がかかる、かつ、ワンプロジェクト受注すれば最短でも5年は売上を確保できて、そのプロジェクトをやれる範囲で増やしていきました。

ただ、ここ毎年言われている「100年に一度の変革期」で受注状況は大きく変わりました。生涯価値が高い顧客の受注前提がくずれて、コンスタントに来ていたプロジェクトの失注が相次ぎました。さらにこのタイミングで顧客のコロナ禍で対面営業フォローができない、顧客組織の変革が加速度的に進み「誰に」「どうやって」アプローチすればいいかわからない。

この書籍では、そんなニッチ産業でどっぷりBtoBマーケティングの課題を解決する「BtoBマーケティングの型」が学べます。すでに知っている方は再確認できます。

Bitly

私は両方ありました。

うちは特別だから、と思っているBtoB事業者の経営者、営業さん、そしてそんな会社を支える「身近なWEB制作会社さん」にもおすすめです。

ところで著者が繰り返し伝える「BtoBマーケティングの型」という言葉、好きですね。起業はアート、そんなアートを失敗しない型を徹底的に解き明かした有名な著書を2冊紹介したいです。こちら↓ 型繋がりです。

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話は戻りまして、今回の本書の構成としては「理論1〜5→事例6」の型です。

  1. 導入・・・なぜ必要なの?
  2. 特徴・・・BtoBとその他の違い
  3. 本書のキーポイント=LTVの最大化!これが重要!
  4. 売り上げにつながるまでの具体的な設計方法
  5. その設計を実行する方法
  6. 事例11連発!

内容を少しだけみていきましょう。

顧客が自ら行うベンダー選定の段階で選ばれなければ、営業パーソンは声をかけてすらもらえないということです。

この一言は腹落ちしました。確かに土台に乗っていないとまずもってお話は来ないですからね。

課題の解決方法は、いまや営業パーソンだけでなく、顧客自らが決めています。

そうだよね。顧客は調達情報、顧客情報を、これまでのつきあいや展示会などのリアルなつながり以外は基本webから探します。この動きが加速するのは仕方ないと筆者は言っています。

「顧客とのタッチポイントが以前より増えている」という観点から、むしろ喜ばしい動きと言えます。

面談ができなーい、というのはここにてバッサリ切られるわけですね。

タッチポイントがふえて誰にアプローチするかを決める時に、

行ってはいけない市場規模、

目指すべき市場規模があると本書は述べています。

目指すべきはLTV、顧客生涯価値。これをどれだけ高めれる市場規模。結果的に大手顧客向けのアプローチが最優先課題となります。上場しなくともそこを目指すべきだし、自社の体制も大手向けの体制にしていかないといけません。

誰を対象顧客にするか、どんなサービスを提供するかである程度勝負は決まってしまう

どの業界で戦うかでそのビジネスのLTVはおおよそ決まってしまう

さて、ケーススタディが豊富にある中で私が直面した課題と解決策があったの少しだけ紹介します。

ケーススタディ6 顧客がWebを使って情報収集していない

はい。この減少、製造業でも未だにFAXやり取りがありますので、日常かもしれません。分厚いカタログを見ながら出入りの商社さんと話して決める。その商社さんは手帳に手書きでメモメモ。最近はミスミ、パンチ、モノタロウ、などなどでほぼ揃いますが、相談は商社さんにしてしまいます。

Webサイト制作会社の事例

〜見込み客は自ら「Web制作会社 東京」「Web制作会社 おすすめ」のようなキーワードをいれてgoogle検索し、業者を探すことはしてはいなかったのです。〜

〜(ヒアリングの結果)すでに取引のある広告代理店や印刷会社におすすめの会社を聞いて、その中から依頼先を選択する、という行動をとっていました。〜

〜ターゲット顧客ととりひきのある「広告代理店や印刷会社」の中での認知を高め、彼らの取引先に対して「おすすめの一社」としてあげてもらうための取り組みのほうがよほど重要になるわけです〜

デジタル兵器を使うにしても直球勝負だけではだめだということですね。

本書はやることが明確で具体的。あとがきにある「マラソンの例」は型の大切さをとても理解できる事例でした。学びの実践として、まずは現状顧客の深堀、LTVが高くできる顧客のリスト化、そこへアプローチするための商談設計を進めます。

1800円+税でBtoBマーケティングの基礎が分かるのでとてもおすすめです。

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